仮想通貨ビジネス、その発展性と展望を予測してみる。

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仮想通貨ビジネス、

その発展性と展望を予測してみる。

 

急速に市場規模を拡大してきた仮想通貨は過熱感が収まり、近頃下落気味になっています。このまま停滞を迎えるのか、将来的な発展性は期待できるのか、現状の仮想通貨ビジネスの市場トレンドを踏まえ、どのようなビジネスモデルが考えられるのか、今後の展望などについてみていきたいと思います。

 

仮想通貨ビジネスモデル 
  • 仮想通貨交換事業

仮想通貨交換業者が行う通貨の販売には「販売所方式」と「取引所方式」とがあります。販売所方式は、仮想通貨業者が実際に持っている仮想通貨を販売します。この場合はビットコイン等の仮想通貨を売る金額と買い取る金額が異なります。

 

取引所方式とは顧客同士が仮想通貨の売買を行います。そのための仲介の場を提供するのが仮想通貨交換業者です。

 

コインチェックから巨額の仮想通貨が流出し、顧客に460億円もの補償を行った事件はまだ記憶に新しいかもしれません。その事件後(2018年2月以降)に金融庁は、登録業者16社のうち7社と、当時は16社あったみなし交換業者全社に立ち入り検査を行いました。検査の結果問題があれば業務改善命令を受け、改善計画を提出しなければいけません。

 

金融庁からの行政指導の例

 

テックビューロ株式会社に対する行政処分について(平成30年9月25日)

 

1.テックビューロ株式会社(本店:大阪府大阪市、法人番号1120001184556、仮想通貨交換業者)(以下、「当社」という。)に対しては、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)第63条の15第1項に基づく当社からの報告等により、顧客保護に関する内部管理態勢等に不十分な点が認められたことから、本日、近畿財務局長が当社に対して行政処分を行った(詳細は、近畿財務局ウェブサイトを参照)。

引用:https://www.fsa.go.jp/news/30/virtual_currency/20180925.html

 

 

こちらが今現在一番新しい行政指導の内容です。このように金融庁は事業所に常に厳しく目を光らせ、交換業者に対して「金融機関並み」の運営体制を求めています。

 

  • 決済サービス

近年多くの多くが仮想通貨を使った決済サービス事業に参入してきています。従来より決済サービスを行う企業のみならず、スターバックス、LINEといった企業等もがビジネスに参入してきています。

 

  1. 仮想通貨決済のメリット

キャッシュレスが進む中、大手の店舗だけでなく小規模の小売店等もクレジットカード決済を導入している所も多いですが、売り手にとってその手数料はバカになりません。クレジットカードの場合、決済手数料が数%程度かかります。薄利多売のビジネスから見れば、売上高の数%の手数料は大きな負担となってしまいます。しかしビットコイン等で行う決済なら、マーチャントが負担する手数料がクレジットカードに比べてずっと低いというメリットがあります。例えばビットフライヤーbitFlyer)の決済手数料は1%以下、ZAIFなら無料です。

 

 2.仮想通貨決済の展望

 

仮想通貨はお金の「自然な次のステップ」であり、10年以内に決済のメインストリームになる可能性がある。

  

英国の取引所イートロ(eToro)は「仮想通貨:信頼と導入における障壁を克服する」と題した報告書で、仮想通貨が次世代の決済に置き換えられる可能性を強く示唆しています。Twitter社のCEOも同様の発言をしています。イートロによるとお金の3条件とは「価値の保存」「価値の尺度」「交換の媒介」で、仮想通貨はこのうちの「価値の保存」を既に満たしているとのことです。「お金」として置き換わるにはまだいくつかの課題をクリアしなければいけませんが、仮想通貨は未来の決済手段として、今強く期待されています。

 

引用:仮想通貨は10年以内に決済のメインストリームになる=イート

  

  • マイニング

マイニングとはビットコインイーサリアムなどの仮想通貨で、新規の取引情報を解析し、ブロックチェーンを作成する作業です。一般的には、「採掘」を英訳した「マイニング」という名前で定着しています。マイニングには膨大な量の計算が必要となるため、パソコン等の計算資源を提供した者には報酬としてその通貨が与えられます。

 

・マイニングの種類

 

マイニングには「ソロマイニング」、「プールマイニング」、「クラウドマイニング」の 3 種類があります。1人で行うマイニングを「ソロマイニング」、グループで協力して行うマイニングが「プールマイニング」、マイニングを行っている団体に投資をすることによって、マイニング報酬を得るのが「クラウドマイニング」です。

 

GMOではこのマイニング事業にも参入しています。マイニングを行うための機器の開発と販売、そしてマイニング設備の一部を貸し出すZ.com Cloud Miningなどを手掛けています。

 

マイニングには高スペックのマイニングマシンを24時間365日フル稼働しますから電力消費量が大きく、その分、電気代がかかります。その電気代に対して採掘効率を最大限に活かして最大限の投資効率を上げることが利益に繋がります。その為マイニング機器の性能向上による省エネ化、電力の安価な地域に設備を置くといった事が必要になってきます。莫大な利益をあげる為にこうした設備を用意するのは個人には難しいので、大手の限られた企業に寡占されていく傾向があります。

 

まとめ

最近、FX取引や証券取引事業を行う大手が、仮想通貨事業に積極的に参入してきています。それだけこの分野には将来性があると判断されている証とも言えます。証券やFXで培ったマーケティングノウハウを持った企業の参画で、豊富な資金力を武器に現在スプレッドの幅を小さくするなど、安売り合戦の様そうも呈しています。特に証券取引最大手のSBIは、仮想通貨取引において、かなり積極的に価格競争を仕掛けてきています。

 

仮想通貨決済ビジネスも広がりを見せつつあり、スターバックスのように店頭でのBTC決済を導入する店舗等が知られています。とはいえ、仮想通貨での決済には日常レベルでの実用化にはいくつかのハードルがあると指摘する専門家もいます。例えば、ブロックチェーン方式という耳慣れないデータ管理システムが採用されているうえに、ウォレットを開設して入手したとしても自己管理に不安を覚え、結局キャッシュに切り替えてしまう人もいます。まだその運用ノウハウなどが一般的に広がってはいないのです。

 

仮想通貨ビジネスの発展性は、未知数な部分も多いのが現状ですが、次世代の決済に置き換えられる可能性もあり、まだまだ世界中で盛んに取引されている仮想通貨の投資的人気も根強く、今後のビジネス的展望は見逃せません。