【3分ITキーワード】AI(人工知能)、コンピューターを人間の様に

AI - マシンラーニング Machine Learning - ディープラーニング Deep Learning

 

AI(人工知能、エーアイ)

人間の様に考え学習することによって問題を解決するコンピューター技術

 

全世界を揺るがしている新型コロナウイルスの勢いが今も増しています。感染症は一度拡散すれば歯止めがかからないことが多く、初期予測こそが被害の規模を決定する重要なポイントとなります。そのため新型コロナウイルスの発病を初めて予測したのがだれなのかに注目が集まりました。カナダの某企業はAIに基づいたアルゴリズムでWHO(World Health Organization世界保健機関)より一週間も前にコロナウイルスが発病したことを予測し知らせたと主張しています。その企業はAIに基づき動植物の病気、マスコミの報道、航空データを集め予測をしたと明かしました。実際に新型コロナウイルスを初めて予測したのかという事実関係が明らかになったわけではありませんが、初期段階に感染症が発病したという事実を知らせ、対応に至らせるにおいて大きな役割を果たしたという評価を受けています。


このように感染症の推移を予測するだけではなく、AIスピーカー、AIに基づいたおすすめ機能、AIチャットボット、AI面接など様々な分野でAIの活用度が高まっています。

 

AIとは?

 AIはともに語られることが多い概念であるマシンラーニング(機械学習)やディープラーニング(深層学習)とどの部分が違うんでしょうか。この三つの中で一番広い概念といえるAIについてまずご紹介します。AIは大きくAGI(汎用人工知能、Artificial General Intelligence)とANI(特化型人工知能、Aritificial Narrow Intelligence)に分けられます。

 

1)人工知能ロボット、AGI

わずか数年前までのAIに対する一般的なイメージは、映画などの影響により人間のように行動するロボットの様なものでした。このようなAIはAGIと言います。AGIは人間のように行動するもしくはそれ以上の能力を持つことができます。与えられた状況を学習することによって解決策を探し出すのがその目標です。実際に、数々の映画で人間が作った人工知能ロボットが自ら学習し発展することで人間を支配する様子が描かれています。

 

2)特化された人工知能、ANI

以前話題になったAlphaGoやAIスピーカーはANIに分類されます。AIを活用した囲碁、自動応答、顔面認識、健康管理など特定の分野でのみ活用できるテクノロジーです。最近はAGIより一つに集中したANIの開発がより盛んに行われておりますが、これは特定の分野で必要とされるAI機能を活用するにはANIがより有効だからです。

 

マシンラーニングとディープラーニング

AIを論ずるにおいて欠かされることなく登場するのがマシンラーニングとディープラーニングです。広い意味ではAIを達成するためのものがマシンラーニング、そしてマシンラーニングを達成するためのものがディープラーニングです。

 

1)マシンラーニング(Machine Learning)

マシンラーニングはデータに基づいた学習を経て特定の作業を行うものです。主にデータを分類する作業に使われます。例えばマシンラーニングを通じて犬と猫を区別するとしましょう。まず、機械(Machine)に多数の犬のデータを入力します。この際、機械はこのデータを犬ではなく分類されていないデータだと受け入れます。しかし続けて犬のデータを入力した場合、各データの共通点を見いだすことができます。これにより、機械は分類されていなかったデータを犬のデータだと特定し、ほかのデータでも犬のみを分類できるようになります。このようなやり方はごく一部であり、様々な方法でマシンラーニングを構築することができます。

 

2)ディープラーニングDeep Learning

ディープラーニングは人間の考え方をコンピューターに学習させる、マシンラーニングの一種です。データが持っているパターンを複雑なネットワークでモデル化させるため、自然言語処理、イメージおよびビデオの分類、おすすめエンジン、音声認識などの分野で活用することができます。人間の脳の様に作動するアルゴリズムを構築するのが目標であり、よって高度のコンピューティング性能と専門家のモデル解釈が必要な分野です。一番高い活用度を持つと予想されているため、グーグルやテスラなどたくさんの企業がこの分野に投資しています。

  

AIの活用分野

 1)医療

医療分野でAIは人間がキャッチしきれなかった小さな部分を把握し病気を予測するまたはそれを治療するという形で活用されています。IBMは強度、手振れ、爪の変形などを感知する爪装着型センサーを開発しパーキンソン病の兆候の監視に活用しています。中国のテンセントはAIで医療映像を分析し糖尿病、乳がん、大腸がんなどを診断するシステムを開発しました。グーグルも四年間一万人の健康状態をチェックするAI基盤のプロジェクトを続けています。

 

 2)セキュリティ

サイバー攻撃が高度化されている中、ITセキュリティ分野でAIを採用しています。サイバー攻撃もまたAIを適用した形に発展しており、被害の規模も大きくなっている状況です。すべてのセキュリティ問題に人間が対応するのはもはや難しく、新たな脅威に即時に対応することも簡単ではありません。よって、適切なセキュリティ対策を施すにはAIが必須です。アプライアンスWAFであるWAPPLES(ワップル)及びクラウド型WAFであるクラウドブリックCloudbric)はAIを採用したセキュリティエンジン搭載されており、発生する可能性がある潜在的な問題点を自動で認識し管理者にリアルタイムに報告するもしくは自ら問題を解決することができます。また、グーグルが開発したマシンラーニング基盤のTensorflowは一日一億個以上のスパムメールを遮断するのに活用されています。

 

3)その他

グーグル(Google)ではAIテクノロジーを活用し気象予測モデルを作りました。気象レーダーの観測資料、衛星観測画像などをもとに長時間を要する作業を十分以内に完了させるものです。これはアメリカ海洋大気庁(NOAA、National Oceanic and Atmospheric Administration)のモデルより10倍以上詳細であり、短期予報も正確であると知られています。
グーグルはこれ以外にもAlphaGo、グーグルアシスタント、グーグルフォトなどほぼすべてのサービスにAIを適用しました。代表的な音声認識サービスであるアップルのSiri、アマゾンのAlexaなどがAIに基づき運用されています。AIを導入しているのはIT企業だけではありません。スターバックスStarbucks)は新規店舗を展開するのにAIを導入し、人口、所得水準、交通、競合他社などを考慮したうえで、営業成績を予測しています。