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【コラム】 安全だと思ったWi-Fiセキュリティ、WPA2が壊れた。

「WPA2(Wi-Fi Protected Access 2)」も崩れた。Wi-Fiセキュリティの不安というのはいつも話題になっていたが、そのたびにWPA2は唯一の安全な方法としておすすめされたりした。以前の「WEP(Wired Equivalent Privacy)」に比べて、WPA2は名前から’Protected’だったので、何となく十分に保護されているような気がした。セキュリティ専門家たちもWPA2だけは安全だと言ってたので、利用する人たちは安心した。

 

1997年に導入されたWEP方式は、2001年に致命的なセキュリティ脆弱性が発見され、この代わりにセキュリティを強化した’WPA(Wi-Fi Protected Access)’標準が制定された。しかし、TKIP(Temporal Key Integrity Protocol)方式のセキュリティプロトコルを使用するWPAもたった60秒以内にハッキングできるという事実が明らかになった。幸いに、その脆弱性はTKIP暗号化アルゴリズムではなく、AES(Advanced Encryption Standard)方式を使用することによって回避することができた。また、WPAに続いて、AESに基づいたCCMP(Counter Cipher Mode with block chaining message authentication code Protocol)を基本に使用するWPA2が登場し、今日までWi-Fiネットワークプロトコルセキュリティ標準として位置づけられている。

 

それで、セキュリティ専門家たちも「WPA2を使いなさい!」、「WPA2は安全です!」と強く主張したのだ。ところが、そのWPA2まで崩れたのだ。その経緯を見てみよう。

 

「KRACK」にクラック

WPA2を狙った「KRACK(Key Reinstallation AttaCK)」は、名前の意味そのままKeyを再設定する攻撃である。WPA2プロトコルの鍵管理脆弱性を攻撃する。米国国土安全保障省(DHS)配下の情報セキュリティ対策組織であるUS-CERT(United States Computer Emergency Readiness Team、アメリカのコンピュータ緊急対応チーム)では、KRACKの危険性について「復号化・パケットの再生・TCP接続ハイジョキン・HTTPコンテンツ・インジェクションなどが影響を受ける。プロトコル自体の問題であるため、WPA2標準のほとんど、またはすべての部分に該当する。」と言った。

 

KRACK攻撃者は、Wi-Fiネットワーク過程に介入し、鍵を再設定することで、これまで安全に暗号化されていると信じて疑わなかった情報、例えばクレジットカード番号、パスワード、電子メール、メッセージなどの敏感な情報を盗み取ることができる。これに、Wi-Fiを使っていた人たちは大きな混乱に陥った。

 

「WPA2は信じても良いって言ってなかった?」、「暗号化は安全だといつも言ってたでしょう!」「AESも不安というわけか!」

 

これは当然な反応だ。それほどWPA2に対する信頼が堅固だったのだ。そして、攻撃による被害規模は想像もできないほど深刻だ。考えてみよう。私たちはWi-Fiを通じて、どれほど多くの、そして危険な情報をやり取りしてたのか。混乱は、当たり前のことだ。

 

しかし、混乱は問題に対する誤解を起こすこともある。「暗号化してもすべてやられるのではないか!」という怒りをよく見た。結論から言えば、そうではない。KRACKはWPA2セキュリティプロトコルのfour-way handshakeプロセスに非正常的に介入して、無線アクセスポイント(Wireless Access Point、WAP)ではなく、利用者クライアントに影響を与える攻撃であり、プロセスのセキュリティを証明するのに使用される数学、つまり暗号化を無用の長物にしている攻撃ではない。

 

「それではこれからはWPA2を使ってはいけないのか?」

 

これもまた、そうではない。クライアントセキュリティ・アップデートなどに対する確認、そしてアクセスポイント機器のクライアント機能解除などの措置を取らなければならないが、すぐWPA2の使用を中断してはならない。誇張して話すと、代案がない。

 

ふと思い出す昔話

 

第一、裏切り。

 

裏切りは、信じたほど痛い。信頼が深かったら、その分痛い。そのために、相互間に重ねた道義的な信頼関係を壊す行為である裏切りは、さらに悪い行為に取り扱われる。古代から裏切り者は獣とみなした。ダンテの新曲を見ると、地獄は逆に立てた円錐形になっているが、裏切り者はその円錐の一番下にいる。地獄の底には、自分の弟であるアベルを殺したカイン、自分を信じたカエサルを暗殺したブルータス、イエスキリストを裏切ったイスカリオテのユダが地獄で最もあくどい悪魔たちにかみちぎられている。そういう文章を書くほど、裏切りという行為は嫌がれるのだ。

 

第二、スケープゴート。

 

総体的な問題がある。 社会的な、つまりシステムの問題だ。問題を正すか、それとも問題ではないように、お互い合意して解決するはずだが、システム的な問題のほとんどがそうであるように解決が難しい問題だ。そういう時、犠牲物を利用する。古代イスラエルでは、贖罪の日になると羊を立てて、人間の罪をこの羊が代わりに負って去ると宣言した後、荒れ地に追い出したりする風習があった。そのシステムの罪は、羊と一緒にシステムの外に行ったから、罪がすべて消えたという、解決法のない解決策だ。

 

信じて疑わなかったWPA2が裏切った。信じたほど痛い。
しかし、WPA2プロトコル問題を暗号化に負わせるのは、誤解から発生した問題だ。

過去のWEPそしてWPAがそうであったように、WPA2も方式を改めなければならないが、
暗号化は依然として信じられる、事実上唯一のセキュリティ方法だという事実は、変わらない。