未来IT技術の基盤、ブロックチェーン

 

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未来IT技術の基盤、ブロックチェーン

 

 

未来IT技術の核心基盤技術は何か。ビッグデータ?モノのインターネット?いや、ブロックチェーンだ。

 

ブロックチェーン(Blockchain)」とは、各分散ノードの運営者による任意の操作ができないように考案された分散データベースの一形態として、大規模のノードの間で各ノードに分散保存されたデータを常に最新の状態に維持できるようにするアルゴリズムである。

 

より簡単には、グーグルに「ブロックチェーン」と検索すると一緒に登場する「ビットコイン」がどう動作するかを見れば、簡単に理解できる。

ビットコイン」という、言葉としてはすでに慣れているが、明確に説明できないこの単語は、「暗号通貨(Cryptocurrency)」そしてその暗号通貨の取引が記録される「ブロックチェーン(Blockchain)」の結合物である。ビットコインを「仮想通貨(Virtual Currency)」とも言うが、仮想通貨は現物通貨の反対概念としてさらに広範囲な概念なので、適切な用語ではない。したがって、ビットコインを大まかに仮想通貨と呼べば、意味が変わってくる。

ブロックチェーン」は、すべての暗号通貨の取引内訳が記録される一種の帳簿のようなものだ。帳簿記録のプロセス、そして帳簿に記録された値が正しいかを検証する全ての過程にすべてのビットコインのユーザが参加して記録が残るため、偽・変造が不可能で、ユーザが増えるほど安全性もさらに強化される。まさにその点のために、ブロックチェーンは未来IT技術の基盤として脚光を浴びている。

 

暗号通貨は滅びても、ブロックチェーンは生き残る。

いわゆるビットコインで体表される暗号通貨の熱い熱気も冷めかと思いきや、ビットコイン暴落を報道する話を聞いて、これももう終わりかと思った。しかし、相変わらず暗号通貨は世界中の人々の注目を集つめている。それはなぜだろうか。

  

米国の場外株式取引市場のナスダック(NASDAQ)を運用するOMXグループは、「ナスダック個人市場(Private Market)」でブロックチェーンを活用している。ナスダック個人市場は、一日取引代金が2000憶円に達するほど急速に成長したが、すべての取引に弁護士の公証手続きが必要し、取引速度が非常に遅かった。これに、ナスダックOMXは、ブロックチェーンは活用し、個人間の株式を取引するプラットフォームであるリンク(Linq)サービスを2016年から始めた。ナスダックOMXは、このサービスを利用して、売買までかかる時間を既存の3日から10分に削減し、取引の透明性も一層向上させた。また、オーストラリアの証券取引所は登録、決済、精算のシステムをブロックチェーン技術に代替し、取引費用を大きくさげた。その他にも、国内外の多様な分野で実用・研究事例がある。

 

それでは、なぜ、人々はブロックチェーンに集中しているのか。先に言及したように面倒で時間が結構かかる「公証の手続き」を代替できる絶妙な方法であるからだ。公証とは、ある事実を公的に証明することだ。私が私であることを証明して、ある実物が私のものであることを証明する。この世に生きている以上、人々はすでに公証の厳格な枠組みの中で生きていくことになる。

 

既存の公証というもの、今までのようにすればいいんじゃないか。と思うかもしれないが、これは簡単ではない。もはや、既存の方式ではできない状況になってしまった。これにも様々な理由があるが、近頃最も顕著な理由は、まさに「モノのインターネット(Internet of Things、"IoT")1)」のせいとも言える。モノのインターネットとは、簡単に言って、人だけでなく、世の中のすべての事物が自分を証明しなければならない必要が生じたという意味だ。だから、従来のやり方では、物量負担が厳しくなったものだ。

事物までわざわざそうしなければならないのか?しなければならない。そうでないと、本当に恐ろしい事件や事故が起きてしまう。

 

※参考:

1)モノのインターネットとは

www.pentasecurity.co.jp

2) Q&Aで分かるモノのインターネットのすべて

www.pentasecurity.co.jp

 

 

ブロックチェーンとモノのインターネット

IBMを覚えているか。一時、世の中の全てのコンピューターは”IBM互換機種”と呼ばれた。今も企業電算環境には「メインフレーム」に代表されるIBM製品が活躍している。 そのIBMが最近ブロックチェーンの話が出たら絶対に欠かせない役割を担当している。

IBMが説明するブロックチェーンとモノのインターネットのシナリオは、次のようである。

 

  • シナリオ1

「洗剤がなくなると、洗濯機がそれを感知し、自動的に店に注文し、自分が管理する必需品購買口座から暗号通貨を取り出して、洗剤の勘定を済ませる。店の主人は入金を確認して、洗剤の配達到着日を洗濯機に知らせる。それを洗濯機は自分の主人にその内訳を知らせる。」

 

  • シナリオ2

「洗濯機が壊れると、洗濯機は自動診断システムを稼動し、どこが壊れたかを把握し、当該部品の保証期間などを確認した後、修理店に出張を要請する。修理店から見積もりを送れる、自分の主人に知らせた後、主人が修理店と日程を調整できるよう、お互いに連結してくれる。」

 

この二つのシナリオを見て、先に思ったのは、「洗濯機があえてそんなことを…」だった。しかし、これはシナリオに過ぎないので、別の話を想像することができる。たとえば、家庭の事物の中で最も多くの情報と連結されている物は何だろう。それは冷蔵庫ではないかと思う。冷蔵庫には数多くの物が入っていて、その数多くのものの賞味期限とか栄養情報を持っているのだ。これは場合によっては、医師が禁止した飲食とか摂取量の調節が必要な食べ物かもしれない。決定的に、冷蔵庫は365日24時間稼動される。それでスマートホームの中心で冷蔵庫がよく取り上げられるのだ。

まあ、これは一応さておいて、洗濯機も、冷蔵庫も、このような家電はどうやって自分を「認証」するのだろうか。

 

IBMと数多くの会社たちは、モノのインターネットネットワークを「P2P(Peer-to-Peer:同階層間の通信網、少数のサーバに集中しないで、網全体の構成に参加した機械同士の通信と計算に依存して構成される通信網)」方式で具現しようとしている。中央集中ネットワークに数十億に達する物事を連結して管理するのは、費用問題や安定性問題などがあり、ほとんど不可能である。サーバ一つに連結された機器はサーバに障害が発生すると、全部使えなくなる。ネットワーク実現コストを下げながら、安定性を高める方法は?そうだ。ブロックチェーンだ。そうでなければ、実際、ほとんど方法がない。

 

ところで、ここで決定的な問題が残る。ブロックチェーンの安全性問題だ。

 

ブロックチェーンと暗号通貨をめぐる事故は既に起きている。

2016年韓国ではこのイーサリアム(Ethereum)ユーザが7218イーサ(ether、イーサリアムの貨幣単位)をハッキングされる事件があった。ハッカーはこのイーサリアムブロックチェーンを生成するアプリケーションとイーサ通貨を保存して管理する電子ウォレットアプリケーションの間に暗号化されていない通信が起きるという点を狙い、アプリケーション間の通信中にイーサを奪取し、被害者のウォレットから自分のウォレットに転送した。

イーサリアム財団は、当脆弱性について緊急セキュリティアップデートを実施したが、ネットワークセキュリティに集中した内容であり、最初から問題だったアプリケーションとアプリケーション通信の問題は解決されなかった。事故の経緯、全体の問題の核心は「アプリケーション」と「暗号化」だが、とんでもないところに集中したのだ。事故の収拾がきちんとできなかった良い例である。

 

それで、ブロックチェンは安全なのか。

ブロックチェーンは安全だ。いや、ブロックチェーンだけが安全だ。上の事故を見ても、ブロックチェーンアルゴリズム自体は安全だが、ブロックチェーンと関係されたアプリケーションやシステム、そしてネットワークまで安全だと見ることはできないのだ。 しかし、それでも、ブロックチェーンは安全だ。だから、アプリケーションやシステム、そしてネットワークを安全に整えなければならない。