【特集】 Q&Aで分かる協調型高度道路交通システム(C-ITS)のすべて

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【特集】

Q&Aで分かる

協調型高度道路交通システム(C-ITS)のすべて

 

高速道路の追突事故で毎年多くの人がけがを負って命を失っています。最近こういう道路の交通事故に対する解決法として注目されるのがスマート道路です。スマート道路は、「協調型高度道路交通システム(C-ITS)」とも呼んだりします。走行中に発生する周りの事故危険情報などをリアルタイムで把握し、後ろから付いて来る車が事故に備えるようにするスマートな交通体系です。


今回は、既存の「高度道路交通システム(ITS、Intelligent Transportation System))」の代わりにC-ITSと呼ばれる「協調型高度道路交通システム」が脚光を浴びているC-ITSとは何か、またこの交通体系と関連している様々な問題についてご解説いたします。
それでは、このスマート道路およびスマート道路と関連しているセキュリティについてQ&Aで調べてみましょう。

 

Q. 既存のITSとC-ITSは具体的にどのように違いがありますか。
従来の高度道路交通システムはITSと呼ばれていますが、主に道路や交通管理を目的として運営されています。道路にあるカメラや各種交通施設物を通じて情報を収集したりします。一方、C-ITSと呼ばれる「協調型高度道路交通システム」は、道路で収集された情報を車両に直接リアルタイムで提供することまで含めています。そうなると、突発状況に車が直ちに備えて事故を予防することができます。

 

Q. C-ITSが全国の道路に拡張されれば、生命を失う事故が減少できそうですが、具体的にどのぐらいの効果が予想されますか。
ある分析資料によると、C-ITS導入で事故件数を46%以上減らすことができると予想しています。その他にも、道路の混雑を減らす効果も高まることと見ていますが、数値で言うと、交通混雑から生じる費用を年間800億円ほど減らされることが予想されており、都心の通行速度は30%以上速くなれると予測しています。
また、韓国では政府機関で約87.8kmに達する高速道路と国道で長期間のテストを行いましたが、その現場テストを通じて安全性や拡張可能性などを検証し、未来の適用に向け、多くのデータを得ることができたとしています。

 

Q. 国民の命と安全を保護するためには一日も早く拡大しなければならないようです。このようなシステムを全国的に拡大するためには、どんなものが必要でしょうか。
結構の予算が必要な事業なので、漸進的に拡張していくものと見えます。道路に追加的な施設インフラがぎっしりと構築されなければなりません。リアルタイムで道路の状況を感知するセンサー、通信装備などが追加されなければなりません。一部の地域では、C-ITSの構築に向けて2020年まで約43億円の予算を投入することを公表しました。これは意味深いことですが、実際の事故予防効果の側面では不足する様子です。
もう一つの問題は、公共道路インフラだけでなく、車両内部にも特殊な端末機が必要ということです。
道路で送る信号を提供されるために必要なことですが、個人所有の車両に端末機が拡大されてこそ効果を収めることができます。

 

Q. 車両内部に特殊な端末機が必要としたら、消費者の立場では車を購入する際、追加される費用が負担になるかもしれませんね。もし、車両にこういう端末機が先搭載されたら、消費者に転嫁される費用はどのぐらいですか?
端末機コストというのは大きなイシューです。道路の施設物と情報の受け渡しのために特殊な端末機が必要ですが、拡散には時間が多少必要だとお思います。ある展示会でToyotaの場合、端末機V2X機能をオプションで搭載するためには、約25,000円を追加的に払わなければならないとしていました。また、ある分析によると、2020年基準でセキュリティ機能が装着されたフルオプションの場合、341~350ドル程度になるものとも予想しました。
米国の場合、2022年を目標として、すべての新車に車両と車両間のV2V通信装備義務化を推進しているなど、この端末機は、各国の通信政策とともに発展しているので、その費用はさらに下がるものと考えられています。
しかし、相変わらず端末機製造会社、通信会社、車両製造会社が主導権を持っているので、拡散時期を推測することは簡単ではありません。

 

Q. それでは、現在海外の市場現況はどうですか?
世界的にC-ITSに向け、多様な努力を傾けています。この前、カナダのモントリオールでは高度道路交通システム分野では最大カンファレンスである「ITS World Congress」が開かれました。毎年北米や欧州、アジアなど世界の主要都市で開かれる国際イベントですが、今年は日本企業の参加が目立ちました。トヨタ(TOYOTA)、ホンダ(HONDA)、デンソー(DENSO)、パナソニック(Panasonic)などの企業が単独ブースを展示するなど、活発な活動を見せてくれました。トヨタの場合、車両内V2X端末機が3つの車種に適用されていることを明らかにしました。日本は、自律走行とデータ分析を連携した知能型道路を大々的に広報しました。ある日本企業の担当者はC-ITSがパイロット段階を越えて、各自治体や全国単位に拡大されることを言及しました。特に2020年の東京オリンピックパラリンピックの前に東京一帯にすべての設置を終え、C-ITSと連携した自律走行車や電気自動車を広報することも言及しました。

 

Q. C-ITSの安全性やセキュリティに対する問題はないんでしょうか。端末機の拡大普及だけでなく、セキュリティ問題など解決すべき課題が多そうですが…
車両や道路間の通信、車両と車両間の通信、そして車両と歩行者との通信、どの一つも重要でないことがないのですが、安全性と信頼度が非常に高くなければなりません。急速に送・受信しなければならず、データを分析することはもちろん、誤作動とハッキングに備えなければなりません。
特に道路の施設物はいつもさらされているため、ハッキングの対象になりやすいです。そのため、その信号が変調されているのではないかを検証する過程が必要です。誤った情報が車両に伝達されれば、道路を麻痺させ、事故を惹起する可能性があるからです。
また、自動車と自動車間のコミュニケーションでも類似の問題が発生する可能性があります。悪意的なハッキングで誤った情報を他の車から受信することになれば、誤った判断をすることになってしまい、結局事故につながり、人命被害が発生する可能性があるからです。またC-ITSでは自動車が走行をすれば車の運行情報がそのまま露出される可能性があるので、ハッカーが追跡することも可能になります。このような問題に徹底的に備えなければなりません。

 

Q.  協調型高度道路交通システムでもやはりセキュリティ欠かせない重要な要素ですね。このスマート道路のためのセキュリティ技術は現在どのレベルまで発展されていますか。
C-ITSのV2X関連するセキュリティ技術標準はある程度完成されています。V2X関連会社とセキュリティ会社は、関連製品を作るために努力しており、初期バージョンがリリースされ、実証事業に適用しています。そして関連レファレンスが十分確保された状況ではありませんが、韓国、日本、米国などでもすでに実証事業が進められています。

 

コネクティッドカー関連の詳しい情報は、下記の記事をご覧ください。 

 

1)【特集】Q&Aで分かるコネクティッドカーのすべて

www.pentasecurity.co.jp

 2)【特集記事】今訪れるIoT時代、コネクティッドカーセキュリティは?

www.pentasecurity.co.jp

3)【コラム】2017年自動車サイバーセキュリティの現状

www.pentasecurity.co.jp

4)総務省、「Connected Car社会の実現に向けた研究会の検討結果取りまとめ」を公表

www.pentasecurity.co.jp

 

まとめ
スマート道路の実現に向けては、車両と道路間の通信、車両と車両間の通信、そして歩行者との通信、どの一つも重要でないものがありません。自律走行車(コネクティッドカー)の安全問題と信頼問題が解決されてこそ、スマート道路と自律走行車が普及され、我々の生活を便利にしてくれるはずです。
現在、各国では国家の技術競争力強化に向け、自律走行車の技術開発に取り組んでおり、特に2030年までは完全自律走行車が常用化されるという見込みによって、多くの自動車製造企業やグローバルIT企業が技術開発に協力を注いでいます。
各国では実際の状況と類似した環境で実験可能なテストベッド(Testbed)構築に取り組んでおり、現在までは米国の「M-CITY」、日本の「JARI」、中国の「Nice City」、韓国の「K-City」プロジェクトが進んでいます。
これから、驚くべきスピードで発展をしていく自律走行車とスマート道路、変わる日常生活を期待しながら、発展様子に関心を持ってください。

 

本記事は、韓国のC-ITSテスト事業者に選定されたペンタセキュリティが提供する記事です。

 

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