【3分ITキーワード】 SASE (Secure Access Service Edge、サシー)

クラウドセキュリティSASE

SASE (Secure Access Service Edge) : WAN (Wide Area Network)とネットワークセキュリティ技術を融合したクラウド基盤セキュリティ技術

 

SASE(Secure Access Service Edge サシー)とは、2019年Gartnerによって定義された概念で、クラウド環境上の新たなネットワークセキュリティ技術のことです。簡単に説明しますと、様々なネットワーキング及びネットワークセキュリティ技術を組み合わせ、クラウド環境にて提供するセキュリティモデルを言います。

Gartnerによって初めて提案された概念とはいえ、実際その技術自体は全く新しいものではありません。元々存在する技術をクラウド上で包括的にまとめた形で提供するものですが、クラウドシフトに伴い発生する新たなセキュリティ脅威に対応できる技術の一つとして現在注目されているアーキテクチャです。

 
クラウドシフトにより、従業員は社外の多様な場所から、様々な機器を使用して企業のデータに接近できるようになりました。しかし従来のデータセンタ中心のアーキテクチャクラウドインフラに適切に対応できない問題を抱えています。また、多くの企業が様々なネットワーク環境に対応するセキュリティ方式とポリシーが統一されていないという問題に直面しています。このような課題を解決するために、GartnerはSASEという概念を登場させました。

 

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SASEを利用すると、包括的にまとめたネットワーク機能とネットワークセキュリティ技術を通じてユーザは場所やデバイス、アクセス先などに関わらず、安全に必要なデータやサービスに接近できます。

 

ですが、SASEという概念はまだ初期段階に過ぎません。業界の専門家によると、SASEは既存のアーキテクチャより高度な技術力が必要とされるため、近いうちに実現できない可能性が高いです。実際、2019年のSASE導入率は1%未満で、導入を促進するにはまだハードルが高かったということが分かります。しかしGartnerは5G技術の商用化に伴い、SaaSクラウド基盤サービス、エッジコンピューティングの活用度が高まる環境において、SASEの必要性もますます高まると予測し、このようなIT環境の変化につれ、SASEの導入率は2024年まで40%以上になると見通しています。