総務省が8月4日、「Connected Car(コネクティッドカー)社会の実現に向けた研究会 検討結果取りまとめ」を公表しました。
Connected Car(コネクティッドカー)とは、既存の自動車技術とモノのインターネット技術を組み合わせ車両の内部と外部のネットワークを相互に繋げる(Connect)ことで、現在の状況をリアルタイムで認識し人の便利性や安全性などを提供する、新技術を導入した未来向けの自動車なのです。
※ コネクティッドカーやコネクティッドカーセキュリティに対してさらに詳細な情報が必要な方は、上記の解説記事をご参照ください。
Connected Car(コネクティッドカー)社会の実現に向けた研究会は、車とネットワークがつながり、新たな価値やビジネスが創出される安全・安心な「Connected Car」社会の実現に向け、無線通信ネットワークを活用した「Connected Car」がもたらす新たな社会像やその推進方策等を検討することを目的として、開催されました。平成28年12月から開催されたConnected Car(コネクティッドカー)社会の実現に向けた研究会(座長:谷川 史郎 東京藝術大学客員教授)では、今まで検討してきた結果を取りまとめ、公表しました。
目次は、以下のどおりです。
I. Connected Carに関する現状と動向
1.ITS(高度道路交通システム)の現状
2.Connected Carの国内外の取組動向II. 目指すべき「Connected Car社会」の姿・イメージ
1.「Connected Car」とは何か
2.期待されるサービス・ビジネス
3.Connected Carでどのような社会像を目指すべきかIII. 「Connected Car社会」の実現に向けて解決すべき課題
1.サービスの類型化・モデル化
2.Connected Car社会の実現に必要な通信
3.様々なプレイヤーの役割分担
4.Connected Car社会の実現に向けて解決すべき課題IV. 「Connected Car社会」の実現に向けた推進方策
1.Connected Car社会実現プロジェクト
2.Connected Car社会実証の推進とテストベッドの構築
3.データ相互利活用の推進
4.Connected Car社会実現ロードマップ
取りまとめでは、コネクティッドカーの定義から始め、コネクティッドカーと関連されている様々なサービスや国内外の取組動向を紹介し、日本が目指しているコネクティッドカー社会のイメージはどういう姿であろうかなどを調べながら、そこから期待されるビジネスやサービスの姿も紹介します。
Connected Carの現状に関しましては、「Connected Carが世界的にトレンド」、「世界の先進各国が、イノベーションの源泉として、自動運転の実現に積極的に取り組んでいる姿」、「欧州委員会はHorizon2020を通じて2016-2017年度には自動運転関連プロジェクトに約1億ユーロを投資し、インフラの整備、公道での実証実験、受容性の評価などの実用化を想定したプロジェクトを実施している。」と言及しています。
また、今後の動向においては、トヨタとマイクロソフトが車両から得られるデータの集約や解析を行う「Toyota Connected, Inc.」を米国(テキサス州・プレイノ)に設立したことや2016年7月ホンダとソフトバンクが「コネクテッドカー」向けに人工知能(AI)を使った自動車の運転支援システムを共同開発することを発表していることを紹介しながら、自動車メーカー各社とクラウド事業者・通信事業者等との連携が加速化されていると言及しました。
実際、9月1日、トヨタのオープンイノベーション「TOYOTA NEXT」をベンチャー5社と協業しすることを発表するなど、自動車メーカーからコネクティッドカー社会に対応しようとする動きが広がっています。発表によると、トヨタ自動車がオープンイノベーションプログラム「TOYOTA NEXT」を進め、500を超えるアイデアの応募から、カウリス、ギフティ、シェアのり、ナイトレイ、エイチームの5社が選定されたそうです。
また、取りまとめでは、コネクティッドカー社会実現のためのロードマップも紹介しています。
取りまとめ全文は、総務省サイトよりダウンロードすることが可能です。
関連リンク≫
- 「Connected Car社会の実現に向けた研究会 検討結果取りまとめ」の公表
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban14_02000315.html