【セミナーレポート】デジタル社会とサイバーセキュリティ

皆さん、こんにちは。

この度、当社日本法人代表の陳が東京理科大学で特別講師として招待していただき、「デジタル社会とサイバーセキュリティ」をテーマにデジタル立国を目指す日本における「データ」の価値とサイバーセキュリティの考え方についてお話しました。

マイナンバー法の改正による利用の推進やデジタル庁の発足など、今日本では官民力を合わせデジタル社会の実現に向けて様々な取り組みが推進されています。そんな中、データの連携や利活用などデータの重要性がますます高まっています。あらゆるところから収集される膨大なデータを効率的に取り扱い、利活用していくかについての議論が進められている中、データやデータを管理するシステムにおける信頼性を確保することが今最重要課題として浮彫になっています。

授業にはManagement Information Systemsを学ぶ学生たちがたくさん参加しており、これから立ち向かうべきデジタル社会実現の課題としてサイバーセキュリティをどうやって確立していけるのかについて強い関心を示しました。

そこで、今回は講演の内容を一部紹介させていただきたいと思います。

韓国といえばIT先進国のイメージがありますが、それはなぜでしょうか。

2019年11月、新型コロナウイルスが世界中に広がり、速やかな感染関連情報提供やワクチン接種システムの構築などで韓国の電子政府システムが注目を集めました。実際、電子政府への各国の取り組みをまとめた報告書によると、2020年韓国はデンマークに次いで2位の電子政府先進国であります。ちなみにこの調査で日本は14位でした。

電子政府の構築と普及には、基本的な前提条件として、IT技術の活用と情報の透明性が不可欠です。韓国では「住民登録番号」というものが導入されており、個人情報をその番号に紐づけするシステムを構築する形で電子政府を構築・運用しています。

国策として推進されてきたIT産業は、韓国が飛躍的に成長するきっかけと原動力になった反面、急速なデジタル社会への転換により個人情報やプライバシーの侵害など様々なセキュリティ・インシデントが発生し、社会問題として浮上しはじめることとなりました。

サイバーセキュリティが社会問題になるのにつれ、国家主導で強い強制性を持つ各種規制と法律が実行されています。韓国の個人情報保護法の歴史を見ると取り扱う情報が増えるにつれ、データを安全に保管するための暗号化が義務化されるなど様々な取り組みが進まれてきました。

もはや時代はデジタル化に向けて着々と進んでいます。時代の流れには逆らえないし、デジタル化の利便性と効率性が私たちの生活をより豊かに変化してくれるということは疑う余地のない事実です。このデジタル社会の光と影をしっかり理解した上でうまく利用すれば、更に安全なデジタル社会を実現することができるでしょう。

データを狙うサイバー攻撃に対し完璧にブロックすることは不可能であり、100%安全な製品というものもこの世に存在しません。だからこそ、攻撃のリスクを最小限にするという考え方をもとに、セキュリティ対策を講じていかなければなりません。

今回の講演を通じて、セキュリティ分野に興味を持っている多くの未来の主役にお会いできて本当にうれしかったです。東京理科大学の学生さんからサイバーセキュリティ課題にしっかり向き合っているうえで様々な質問や意見などをいただき、学生さんのセキュリティへの興味を感じることができました。今後もデジタル社会に貢献すべく、日本社会が抱えているセキュリティ面の課題を正確に把握し、企業システムをはじめ社会全体を安全に保護するセキュリティ製品とサービスの提供に努めていきたいと思っております。

また今後も、このように情報セキュリティの価値を上げる活動を続けていきたいと思っております。

改めまして、このような貴重な機会を頂き本当にありがとうございました。