暗号化ツールとは?種類や選び方、鍵管理まで備えたおすすめ製品を紹介

企業を狙ったサイバー攻撃や内部不正による情報漏えいが深刻化するなか、データを保護する手段として「暗号化ツール」の重要性が高まっています。近年はデータの扱い方やアクセス方法にも変化が生じ、従来以上に高度な情報保護が求められるようになりました。

暗号化ツールには複数の種類があり、導入形式や機能性もさまざまです。自社の環境に合わないツールを選ぶと、運用管理の手間が大きく膨らむケースも少なくありません。

そこで本記事では、暗号化ツールの基礎知識から主な種類、導入時の選び方まで詳しく解説します。おすすめの暗号化ツールも紹介しますので、セキュリティ対策を見直す際の参考にしてください。

暗号化ツールとは

暗号化ツールとは、テキストファイルや画像ファイル、データベースなどのデータを第三者が読み取れない「暗号文」に変換するためのツールです。暗号化されたデータを復号する(元に戻す)ためには、専用の「鍵」が必要となります。

鍵を持たない第三者は内容を確認できないため、仮に情報が外部へ流出しても中身を知られる心配がありません。暗号化ツールの活用は、企業の重要な情報資産を守るための基本的なセキュリティ対策といえます。

近年は、手軽に利用できるフリーソフトから、AES(米国政府が標準規格として採用した暗号方式)などを備えた企業向け製品まで、幅広く提供されています。自社の守るべき情報の重要度に合わせ、最適な暗号化ツールを選択することが大切です。

データ暗号化については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

データ暗号化とは?仕組みや身近な例・サービスを選ぶポイントを解説

暗号化ツールを導入すべき理由

企業のセキュリティ対策において、暗号化ツールの重要性は年々高まっています。とくに近年は、サイバー攻撃や情報漏えいリスクの増加により、多くの企業で導入が進んでいます。

ここでは、企業が暗号化ツールを導入すべき主な2つの理由について見ていきましょう。

①社内外で増加する脅威への対策

近年は社内外を問わず、企業の重要なデータを狙った脅威が増加しています。とくに深刻なのが、情報の暴露を盾に身代金を要求する「ランサムウェア」の被害です。近年では「盗んだデータを公開する」などと脅す二重脅迫型も増えています。

また、脅威は外部からの攻撃だけではありません。従業員による不正な情報持ち出しや、USBメモリ・ノートPCの紛失による情報流出なども、見逃せないリスクです。

こうした脅威への対策に役立つのが暗号化ツールです。データを暗号化しておけば、万が一情報が流出しても、第三者には内容を知られずに済みます。昨今では内部不正に対策できる製品も増えており、社内外の脅威に備えた対策として不可欠となっています。

②テレワーク・クラウド活用によるリスク対策

働き方が多様化し、テレワークを導入する企業も増えました。社外で手軽に使えるクラウドサービスを活用し、データの共有や共同作業を行うことも珍しくありません。社内のデータに社外からアクセスする機会が増えたことで、情報漏えいのリスクは増大しています。

たとえば、クラウドストレージへ保存したファイルが不正アクセスを受け、情報が漏えいするリスクもゼロではありません。また、テレワークで安全性の低い回線を利用した場合、通信内容を盗聴されて機密情報を窃取されるリスクも生じます。

通信だけを守る対策や、クラウド事業者の対策だけに依存する体制では、こうしたリスクに対処しきれません。データの扱い方やアクセス方法の変化に対応するためには、暗号化ツールの活用が求められます。通信経路だけでなく、保存されるデータそのものを強固に保護する仕組みを整えましょう。

暗号化ツールの主な種類

暗号化ツールには、保護対象や利用環境に応じて複数の種類があります。ここからは、代表的な3種類の暗号化ツールについて見ていきましょう。

①ファイル暗号化ツール

「ファイル暗号化ツール」は、テキストや画像、動画といったデータをファイル単位やフォルダ単位で暗号化する製品です。営業資料や契約書など、持ち出しの多いファイルを保護しやすく、情報漏えい対策として広く利用されています。

近年は、パソコンのシステム内部で自動的に暗号化を行う仕組みの製品も増えました。ユーザーが特別な操作を意識せず、普段と同じようにファイルを扱えるのが魅力です。

ファイル暗号化ツールは手軽に導入しやすい反面、大規模なデータベースの管理などには向きません。あくまでファイル単位での保護を中心とした用途に適しています。

②データベース暗号化ツール

「データベース暗号化ツール」は、情報を一元管理するデータベースそのものを暗号化する製品です。企業の基幹システムやDBMS(データベース管理システム)内のデータを保護し、第三者による不正な情報の抜き取りを防ぎます。

データベースには顧客情報や認証情報など、機密情報が大量に保管されています。そのため、外部へ流出すると企業の信用問題に発展しかねません。データベース暗号化ツールは、こうした重要データを包括的に保護するうえで有効です。

暗号化の実装には、アプリケーション経由で処理を行う「API方式」や、データベースへ機能を追加する「Plug-In方式」などがあります。システム環境や用途に応じて、適切な方式を選択することが大切です。

データベース暗号化については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

データベース暗号化とは? メリット・デメリットと種類を徹底解説

③クラウドデータ暗号化ツール

「クラウドデータ暗号化ツール」は、AWSやAzureなどのクラウド環境に保存されたデータを暗号化する製品です。クラウド上の指定したフォルダや仮想ドライブ、保存領域などを対象に情報を保護する仕組みを持っています。

多くの製品は、クラウド環境へのデータ転送時や保存時に、自動で暗号化処理を行います。クラウド事業者が提供する標準の保護機能とは独立した仕組みのため、復元に使う鍵を自社で一元管理できるのが強みです。

クラウドサービスは利便性が高いものの、データをクラウド事業者へ委ねることに不安を感じる企業も少なくありません。社内システムのクラウド移行を安全に進めるためにも、導入を検討すべき重要なツールと言えるでしょう。

暗号化ツールの失敗しない選び方

暗号化ツールは、製品によって保護対象や機能性が変わります。自社環境に合わない製品を選ぶと、業務効率の低下やコストの増加といった失敗を招きかねません。

暗号化ツール選びで失敗しないためにも、ここで紹介する導入時の確認ポイント4つを押さえておきましょう。

①暗号化の対象

まず確認したいのが、「どのデータを暗号化の対象とするのか」です。ファイル単位の保護に特化した製品もあれば、データベースやクラウド環境まで幅広く対応する製品もあります。自社が保護したいデータに対応した製品を選びましょう。

近年は、オンプレミス(自社運用)とクラウドが混在する環境も増えています。そのため、複数の環境を横断してデータを保護できる製品を選ぶと、管理の手間を抑えて強固な対策を講じやすくなるでしょう。

②導入形式(クラウド/オンプレミス)

暗号化ツールの導入形式には、主に「クラウド型」と「オンプレミス型」があります。

  • クラウド型:インターネット経由でサービスを利用する形式
  • オンプレミス型:社内のサーバーに仕組みを構築する形式

クラウド型は個々の端末からアクセスしやすく、運用負荷を抑えやすいのが強みです。オンプレミス型は自社で管理する必要があるものの、現場の内情に合わせた細かな制御が行えます。自社のシステム環境や運用体制に合った導入形式を選びましょう。

また、将来的なクラウド移行を見据えて、クラウド・オンプレミスを組み合わせたハイブリッド環境へ対応できるかも重要です。現在の環境だけでなく、中長期的なIT戦略も踏まえて検討しましょう。

③導入・運用コスト

ツール導入にあたって欠かせないチェックポイントがコスト面です。注意点として、暗号化ツールを比較する際は、導入時のライセンス費用だけで判断してはいけません。既存システムの改修コストや、運用管理のコストも含めて確認する必要があります。

たとえば、暗号化機能は備えていても、鍵管理やアクセス制御が不十分な場合、追加でシステム改修を行ったり別製品を導入したりしなければなりません。また、操作が複雑で使いづらい製品だと、管理者の運用負荷も大きくなります。

そのため、「既存システムへ柔軟に導入できるか」「少ない負担で運用できるか」「将来の環境移行へスムーズに対応できるか」など、複数の観点から総合的に比較検討しましょう。

④暗号化以外の機能性

データの暗号化だけではセキュリティ対策として不十分です。とはいえ、個別にセキュリティ製品を導入するのでは、導入・運用の負担やコストが増大します。

そこで、暗号化以外の機能も充実した製品を選ぶのがおすすめです。具体的には、鍵管理やアクセス制御、ログ監査などを含めた統合的な対策が可能な製品を選ぶとよいでしょう。

たとえば、KMS(暗号鍵管理システム)による鍵管理機能があれば、鍵が漏えいして暗号化したデータを不正に復号されるリスクを減らせます。また、誰がどのデータへアクセスしたかを記録するログ監査機能があれば、不正操作の早期発見が可能です。

トータルセキュリティを実現する暗号化ツール D.AMO

企業で扱うデータが増加するなか、暗号化だけでは情報漏えい対策として不十分になりつつあります。安全な運用を実現するためには、アクセス制御やログ監査、鍵管理まで含めた包括的な対策が欠かせません。

D.AMO(ディアモ)は、データ暗号化からアクセス制御、ログ監査までをワンパッケージで提供するデータ暗号化プラットフォームです。多様なシステム環境やデータベースに対応し、中規模から大規模システムまで幅広く活用されています。

D.AMOの主な特長は以下のとおりです。

  • アプリケーションの改修不要で稼働中システムへ簡単にアドオン導入
  • カラム単位の選択的暗号化によりシステムパフォーマンスを維持
  • DBA(データベース管理者)とセキュリティ管理者の職務分掌で特権IDによる不正をブロック
  • データ暗号化、アクセス制御、ログ監査、鍵管理を統合したオールインワン設計
  • 国内外の特許や認証を取得し、韓国のデータベース暗号化シェアNo.1の実績

既存システムへの影響を抑えながら、データ保護を強化したい企業に適した製品です。詳しい機能や導入事例については、下記よりご確認ください。

データ暗号化プラットフォーム「D.AMO」とは?機能や特長、利用例を紹介

D.AMOに関する資料はこちら

まとめ

暗号化ツールは、サイバー攻撃や内部不正から企業のデータを守るための重要なセキュリティ基盤です。とくに近年は、クラウド活用やテレワークの普及によって、データそのものを保護する重要性が高まっています。

ただし、暗号化だけでは十分とは言えません。鍵管理やアクセス制御、ログ監査まで含めた総合的な対策を行うことで、安全なデータ運用につながります。

暗号化ツールを選定する際は、保護対象や導入形式、運用負荷などを踏まえ、自社環境に適した製品を選ぶことが重要です。包括的なデータ保護を実現したい場合は、「D.AMO」のような統合型プラットフォームも検討してみてください。